養老七年癸亥の夏五月、吉野の離宮に幸せる時に、笠朝臣金村が作る歌 (912) |
神龜元年甲子の冬十月五日、紀伊國に幸せる時に山部宿祢赤人が作る歌 (922) |
神龜二年乙丑の夏五月、吉野の離宮に幸せる時に、笠朝臣金村が作る歌 (925) |
三年丙寅の秋九月十五日に、播磨國の印南野に幸せる時に笠朝臣金村が作る歌 (940) |
四年丁卯春正月、諸の王・諸の臣子等に勅刀寮に散禁せしむる時に作る歌 (953) |
五年戊辰、難波宮に幸せる時に作る歌 (955) |
天平二年庚午、勅して擢駿馬使大伴道足宿祢を遣はす時の歌 (967) |
三年辛未、大納言大伴卿、寧樂の家に在りて、故郷を思ふ歌 (974) |
四年壬申、藤原宇合卿、西海道の節度使に遣はさるる時に、高橋連虫麻呂が作る歌 (976) |
五年癸酉、草香山を越ゆる時に、神社忌寸老麻呂が作る歌 (981) |
六年甲戌、海犬養宿祢岡麻呂、詔に応ふる歌 (1001) |
八年丙子夏六月、吉野の離宮に幸せる時に、山部宿祢赤人が詔に応へて作る歌 (1010) |
九年丁丑の春正月に橘少卿并せて諸の大夫等、弾正尹門部王の家に集ひて宴する歌 (1018) |
十年戊寅、元興寺の僧の自ら嘆く歌 (1023) |
十一年己卯、天皇、高圓野に遊猟する時に、小さき獣都里の中に泄走す。ここに適に勇士に値ひ、生きながらにして獲られぬ。即ちこの獣をもちて御在所に献上らむとするに副ふる歌 (1033) |
十二年庚辰冬十月に、大宰少貳藤原朝臣廣嗣が謀反せむとして發軍するに依りて、伊勢國に幸せる時に、河口の行宮にして、内舎人大伴宿祢家持が作る歌 (1034) |
十五年癸未の秋八月十六日に、内舎人大伴宿祢家持が久邇の京を讃めて作る歌 (1042) |
十六年甲申春正月五日に、諸の卿大夫の安倍虫麻呂朝臣の家に集ひて宴する歌 (1046) |