私が、初めて『万葉集』の「枕詞」を意識したのは、つい最近のことだ 勿論、それまでにも幾つかの「枕詞」に関する書には触れたが、それほど積極的にはなれなかった 「どうせ、ある語を導き出すための、修飾語みたいなものだろう」程度の認識であり、中には深い意味合いも含まれるものがあっても ただただ訳をつけた場合に、冗長になりかねない、そんな気持ちすらあった 修飾される語に、具体的なイメージが沸くのなら、説明的な「枕詞」など、確かにくどいのでは、とも思っていたものだ しかし、このサイトの更新を毎日のように行っていると、それをいちいち「語義解釈」の表に載せるのも煩わしくなり いっそのこと、一覧表を作って、そこにリンクさせれば、と安易に考えてしまった そこで、『万葉集』から「枕詞」を拾い出す作業を始めたら、中には「古語辞典」にも載らない「枕詞」もあり あるいは、幾つかの注釈書では「枕詞」と解されていても、ある注釈書では、その「語義」を解説することもあった 現実的に、すべての解釈が必要とは思わないが、どうしてその言葉が「枕詞」として用いられたかを、知ると知らないとでは 歌に秘められた「こころ」に、見落としかねない「何か」を感じてしまった 昨日(2013年11月23日)、古書店から購入した一冊の本、 山口正著「万葉修辞の研究」(武蔵野書院、昭和三十九年十一月刊行)の第四章「万葉集の修辞法 四:枕詞」を読み出す この本の評価は、私には解らないが、この本を「修辞学」の、私の初めて手にした本だという「意味」を感じて その序文にあたる箇所だけでも、この「枕詞一覧」の頭に載せておく |
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まさにこの一文に、今私自身が我流ながら行っている「姿勢」が共鳴してしまった このような研究姿勢とは、実際は程遠いものだが、その考え方は、私自身もいつも思っているところだった この「枕詞」の文字を「万葉歌」と置き換えれば、まさにそうあるべきだ、と唸ってしまう 私のしてることなど、大したことはないが、少なくとも研究者自身のように、自らその「語彙」を紐解くことと、 さらに、その拠り所とする出典をも、ある時には見詰め直し批判する、あくまで自分が納得できるためには、幾つもの諸本に顧みることも必要だから |
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基本的には、この「枕詞一覧」の活用は、「書庫」に収める万葉歌の解釈の一助にでもなれば、という位置付けではあるが 開始すれば、いつしかこの頁も、単に古語辞典の引用だけではなく、「原義」についても関わるものとしていきたいものだ 補うことがあれば、その都度更新する |
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枕詞見出し | かかる語 | 原 義 | 掲載歌の用例 | |
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あかねさす | 茜さす | 日・昼・紫・照る・月・君 | 茜色に美しく輝くことから | 3879 |
あかぼしの | 明星の | 明く・飽く | 明星が明け方に出ることから | |
あからひく | 朱引く | 日・朝・膚 | 赤味を帯びることから | |
あきかぜの | 秋風の | 吹く・吹き上げ・千江(ちえ) | 秋に吹く風 | 4539 |
あきくさの | 秋草の | 結ぶ | 草を結んで幸運、繁栄を祈ることから | |
あきづしま | 秋津島・秋津中洲 | 大和 | 「大和の国」「日本の国」の異称 | 3264 |
あきはぎの | 秋萩の | 移る・しなふ・花野 | 萩の性質をとらえて | 2289 |
あさがすみ | 朝霞 | 鹿火(かひ)・八重・ほのか | 朝霞は幾重にもかかることから | 1880 |
あさがほの | 朝顔の | ほに咲き出づ | 朝霞は幾重にもかかることから | |
あさがみの | 朝髪の | 乱る | 朝起きたばかりの髪は乱れていることから | 727 |
あさぎりの | 朝霧の | 乱る・おほに・思ひ惑ふ・八重 | 朝、立ちこめる霧 | 602 |
あさしもの | 朝霜の | 消(け)・御木(みけ) | 朝の霜は消えやすいことから | |
あさぢはら | 浅茅原 | つばらつばら(しみじみ) | 「ちはら」と「つはら」の音の類似から | 336 |
あさぢふの | 浅茅生の | 小野 | 茅萱の生えている野の意から | |
あさつゆの | 朝露の | 消(け)・命・置く | 朝露は消えやすいこと、草木におくことから | 2697 |
あさどりの | 朝鳥の | 朝立つ・通ふ・音(ね)泣く | 朝、鳥がねぐらを飛び立ち、あちこち通うことから | |
あさみどり | 浅緑 | 糸・柳・草・野辺 | 浅緑色の意から | |
あさもよし | 朝裳よし・麻裳よし | 紀・紀国・紀人・紀方・城上(きのへ) | 麻で作った裳の名産地であったことから | |
あしかきの | 葦垣の | 古(ふ)る・乱る・間ぢか・外(ほか)・吉野 | 葦垣はすぐ古くなり乱れやすいこと、間隔を詰めて作ることから | |
あしがもの | 葦鴨の | うち群(む)る | 葦の生えている水辺に群れて居る鴨の異名から | |
あしたづの | 葦田鶴の | ねに泣く | 葦の生えている水辺に居る鶴の異名から | |
あしのねの | 葦の根の | ねもころ・分く・短き・憂き・世・夜 | 「根」の同音、葦には節(よ)があることから「夜・世」、根が分かれていることから「分く」 | |
あしひきの | 足引きの | 山・峰(を)・尾の上・八峰(やつを)・岩根・岩・木(こ)・嵐・野・遠面(をても)・葛城山・笛吹山・岩倉山 | 山と同義の語、山の縁から転じた語、後には固有の山の名にかかる | 107 |
あすかがは | 飛鳥川 | 明日(あす) | 淵瀬の定まらないことで知られ、世の無常に喩えられる | 2710 |
あぢさはふ | 目・夜昼知らず | 2946 | ||
あづさゆみ | 梓弓 | い・いる・ひく・はる・本(もと)・末・弦・おす・寄る・かへる・ふす・たつ・や・音 | 弓の縁でかかる | 2510 |
あまぐもの | 天雲の | はるか・たゆたふ・ゆくらゆくら・行く・別る・奥・たどきも知らず・外(よそ) | 雲が定めなく漂うことから、雲の奥がはるか遠くにあることから、雲が遠くに飛んで行くことから | |
あまごもり | 雨隠り | 三笠(地名) | ||
あまごろも | 天衣 | 蓑 | 雨を防ぐために着る衣服から | |
あまざかる | 天離る | ひな・向かひ | 天空のはるか彼方に離れていることから | |
あまづたふ | 天伝ふ | 入り日・日 | 空を伝い行く太陽の意から | |
あまてるや | 天照るや | 日 | 空に照る意から | |
あまとぶや | 天飛ぶや | 鳥・雁・軽 | 空を飛ぶ意から | |
あまのはら | 天の原 | 富士 | 大空に聳える意から | |
あまびこの | 天彦の | おと | こだまの意から | |
あもりつく | 天降り付く・天降り著く | 天の香具山・神の香具山 | 香具山は天から降ったという伝説から | |
あやめぐさ | 菖蒲草 | あや・ね | 同音の「あや」、根を賞することから「ね」に | |
あらかねの | 粗金の | つち(土・地) | 「あらがね」を槌で鍛えることから | |
あらたへの | 新妙の | 藤井・藤江・藤原 | 藤の繊維で作った粗末な布を「あらたへ」というところから | |
あらたまの | 新玉の・荒玉の | 年・月・日・来経(きふ)・春 | 「かかる理由は未詳」 | 4268 |
あらひきぬ | 洗ひ衣 | とりかひ川 | 洗った衣に取り替えることから | |
あられふり | 霰降り | 遠・鹿島(地名) | ||
ありそなみ | 荒磯波 | あり | 同音の繰り返しから | |
あわゆきの | 沫雪の・泡雪の | 消(け) | 泡のように消えやすいことから | |
あをぐもの | 青雲の | 出づ・白・白肩 | 雲の出る意、白を含む雲の色から地名の「白肩」に | 3540 |
あをによし | 青丹よし | 奈良・国内(くのち) | 上代、奈良から青丹(青土)が出たことによる | 1050 |
あをはたの | 青旗の | 木幡・忍坂の山・葛城山 | 青々と木の茂る様子が青い旗のように見えるところからの地名 | |
あをやぎの | 青柳の | 細き眉(まよ)ね・葛城山・いと | 青柳の枝や葉が細いところから、葛にするところから「葛城山」に | 1055 |
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いさなとり | 鯨取り | 海・浜・灘 | 鯨をとる意から | |
いしたふや | あまはせづかひ | |||
いそのかみ | 石の上 | 布留(ふる)・降る・古(ふ)る | 石上は大和の地名で、ここに布留(ふる)という地名があることから | 1772 |
いそまつの | 磯松の | 常に | 磯に生える松が長生きで常緑であることから | |
いなのめの | 稲の目の | 明く・飽く | ||
いはばしの | 石橋の | 間(ま)・近し・遠し | 川の浅瀬に石を置き並べて橋としたものから | 2710 |
いはばしる | 石走る | 滝・垂水・あふみ(近江・淡海) | 水がしぶきを上げながら岩の上を激しく流れる意から | |
いめたてて | 射目立てて | 跡見(とみ、地名) | 「跡見(とみ)」(狩猟のとき獣の足跡を調べること)をして「射目」を設けることから、地名「跡見」にかかる | |
いもがうむ | 妹が績(う)む | 小津(地名) | 「妹の績む(紡ぐ)麻(を)」の意から地名「小津(をづ)」にかかる | |
いもがきる | 妹が着る | 三笠 | 妹がかぶる御笠の意から、地名「三笠(みかさ)」にかかる | |
いもがそで | 妹が袖 | 巻来(まきき、地名) | 妹が袖を巻く意から、地名「巻来(まきき)」にかかる | |
いもがてを | 妹が手を | 取石(とろし、地名) | 妹の手を取るの意から、「とる」と同音を含む地名「取石」にかかる | |
いもがひも | 妹が手を | 結八川(ゆふやかは) | 妹の下紐を結ぶ意の「結(ゆ)ふ」と同音を含むことから | |
いもがめを | 妹が目を | 始見(みそみ、地名) | 妹の目を見初めるの意で同音を含むことから「始見(みそみ)」にかかる | |
いもにこひ | 妹に恋ひ | 吾の松原(あがのまつばら、地名) | 妹を恋しく思って私が待っているの意から、「あがまつ」と同音を含む地名「吾の松原」にかかる | |
いゆししの | 射ゆ獣の | 心を痛み・行き死ぬ | 射られて負傷した動物が痛み苦しみ、また行き疲れて死ぬの意から | |
いりひなす | 入り日なす | 隠る(=死ぬ) | 夕日のごとく、の意から | |
いれひもの | 入れ紐の | むすび | ||
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うかねらふ | 窺狙ふ | 跡見山(とみやま) | 狩猟で鳥獣の足跡を見てうかがい狙う役を「跡見(とみ)」という | |
うきくさの | 浮き草の | 浮き | 水面や水中に浮かび上がっている草で、根が固定していないことから | |
うたかたの | 泡沫の | 消ゆ・憂き | 水の泡(うたかた)が水面に浮ぶことから同音の「憂き」に、 また消えやすいことから、「消ゆ」にかかる |
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うちそを | 打ち麻を | 績(う)む・麻(を)・麻続(をみ) | 打って柔らかくした麻、「そ」は「麻」の古名 | |
うちなびく | 打ち靡く | 草・黒髪・春 | 草がなびくようすから | |
うちひさす | うち日さす | 都・宮・宮路 | 日の光が輝く意から | |
うちよする | 打ち寄する | 駿河 | 「うちよする」の「する」と同音であることから「するが」にかかる | |
うつせみの | 空蝉の・虚蝉の | 世・命・人・借れる身・うつしこころ | 「この世の人」の意から | 600 |
うづらなく | 鶉鳴く | 古(ふ)り・古る | 鶉は草深い野や古びて荒れた所で鳴くことから | 1562 |
うばたまの | 鳥羽玉の | 黒・闇・夜・夢 | うばたま(ぬばたま)は黒いことから | 726 |
うまさけ(を) | 旨酒・美酒 | 三輪・三室・三諸・神 | 「うまさけ」である神酒(みわ)から同音の「三輪」、三輪山の別名「三室(みむろ)・三諸(みもろ)にかかる また酒は醸(か)んでつくったところから、「神(かむ)」にもかかる |
3280 |
うもれきの | 埋もれ木の | 下・知れぬ | 埋もれ木は、水中や地中にあって外に見えないところから | |
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おきつとり | 沖つ鳥 | 鴨・味経(あぢふ、地名) | 沖にいる鳥の意 | |
おきつなみ | 沖つ波 | 頻(し)く・競(きほ)ふ・撓(とを)む・たかし | 沖の波が動くさまから | 3239 |
おきつもの | 沖つ藻の | なびく・なばる | 沖の藻が波に隠れなびくところから | |
おくつゆの | 置く露の | たま・かかる | 露の性質・状態から | 2339 |
おくやまの | 奥山の | 深木・真木・立つ木 | 人里離れた奥深い山から | 400 |
おしてるや | 押し照るや | 難波(なには) | 語義未詳 | |
おふしもと | 生ふ楉〔上代語〕 | もと | 楉(しもと、若木の細枝)と同音を含むことから | |
おほきみの | 大君の | 三笠(みかさ、地名) | 天皇のお召しになるきぬがさ(御笠=みかさ)と同音であることから | |
おほぐちの | 大口の | 真神 | 「真神=狼」の口の大きいことから | 3282 |
おほともの | 大伴の | 御津(みつ)・見つ | 難波の港湾である「大伴の三津」の「三津」と同音から | |
おほとりの | 大鳥の | 羽易(はかひ)の山 | 大鳥の「羽交(はがひ)=左右の羽の重なる部分」の意から | |
おほぬさの | 大幣の | 引く | 引っ張りだこ、引く手あまたの意から | |
おほぶねの | 大幣の | たのむ・たゆたふ・ゆた・ゆくらゆくら・渡り・頼む・香取・津守 | 大船のゆったりと揺れるさま、大船を頼りにする意、大船に関連する「津・渡り」「梶取り」と同音を含むことから | 3265 |
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かがみなす | 鏡なす | 見る・御津(みつ)・思ふ | 鏡のように見るの意から | |
かきかぞふ | 掻き数ふ | 二(ふた)・四つ | 一つ二つと数えることから | |
かきつばた | 杜若・燕子花 | にほふ・につらふ・佐紀(さき、地名) | カキツバタの花のように美しい意から、花が咲く意の「咲く」の連用形「咲き」と同音であることから、地名「佐紀」にもかかる | 1990 |
かきほなす | 垣穂なす | 人(ひと) | 垣をめぐらすような四方を囲む人垣から | |
かぎろひの | 陽炎の | 春・燃ゆ・立つ | 陽炎は春に立つことから「春」、その様子から「燃ゆ」 | 1839 |
かこじもの | 鹿児じもの | 一人子 | 鹿は一腹一子なので、一人子にかかる | |
かしのみの | 樫の実の | ひとり・ひとつ | 樫の実が一つずつなることから | |
かすみたつ | 霞立つ | 春日(かすが) | 音に似た地名 | 1898 |
かたいとの | 片糸の | よる・くる・あふ | 片糸に縁のある語から | |
かみがきの | 神垣の | みむろ・みむろの山 | 神の鎮座する場所である「みむろ」、神社のある山「みむろの山」 | |
かみかぜの | 神風の | 伊勢(いせ、地名) | 神風の息吹(いぶき)の同音「い」から「いせ」にかかる、 一説、「いせつひこ」が風を起した伝説があることから「伊勢」に |
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からころも | 唐衣・韓衣 | き(着)る・た(裁)つ・かへ(反)す・すそ・そで・ひも | 衣服に関する語にかかる | |
からにしき | 唐錦 | 裁つ・織る・縫ふ | 布に縁のある語にかかる | |
かりこもの | 刈り菰の・刈り薦の | 乱る | 刈り菰は乱れやすいことから | |
かるかやの | 刈萱の | 乱る・つか(束)・穂 | 刈り取ったかやの縁から | |
きみがきる | 君が着る | 三笠 | 「君が着る御笠」という意で、地名・三笠にかかる | |
きみがさす | 君がさす | 三笠 | 「君がさす御笠」という意で、地名・三笠にかかる | |
きもむかふ | 肝向かふ | 心 | 「きも(肝臓)」は心臓に向かい合っている、という意で「心」にかかる | |
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くさまくら | 草枕 | 旅・結ぶ・ゆふ・かり・露・多胡 | 草を結んで枕にして野宿することから | 4444 |
くしろつく | 釧着く | 手・手節 | 釧は手に巻くので「手」にかかる 一説、ひじ・手首すなわち手の節の上につけることから同音の地名「たふし」にかかるともいう |
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くずのはの | 葛の葉の | うら・うらみ | 葛の葉は風によく裏返って葉裏の白さが目立つので | |
くもりよの | 曇り夜の | たどき(様子)も知らず・惑ふ | 物の有様がよくわからない意から | |
くもゐなす | 雲居なす | 心 | 雲が漂うように揺れ動くから | |
くれたけの | 呉竹の | ふし・うきふし・伏見・夜(よ)・世 | 竹の節と同音の「ふし」など、竹の節と節の間を意味しる「節(よ)」と同音の「世・夜」にかかる | |
くれなゐの | 紅の | 色・うつし心・浅・浅葉(地名) | 染色の意や、その浅い意から「浅」、地名「浅葉」にかかる | 2838 |
くれはとり | 呉織・呉服 | あや | 織物に綾があることから「あや」にかかる | |
くろかみの | 黒髪の | 乱れ・解け・長き | 乱れて解けやすいなど、髪のもつ性質から | 2607 |
ことさへく | 言さへく | 百済・韓 | 「さへく」はさえずるの意、外国の言葉が解らないことから | |
このくれの | 木の暗れの | 繁き・四月 | 木が茂っている意で「繁き」、陰暦四月頃「木の暗れ」になることから | |
こまつるぎ | 高麗剣 | わ | 柄に環(わ)があることから | |
こまにしき | 高麗錦 | ひも | 高麗錦が紐に用いられることから | 2360 |
こもまくら | 薦枕 | たか | 普通の枕より高いことから | |
こもりくの | 隠り口の | 泊瀬 | 山に囲まれた所の意から | 3239 |
こもりぬの | 隠り沼の | 下 | 「隠り沼」が草などの下にあって見えないことから | 3957 |
こゆるぎの | 小余綾の | 磯・いそぎ | 「小余綾の磯」と続くことから、「いそ」と同音を含む「いそぎ」など | |
こらがてを | 子等が手を | 巻向山 | 愛しい女性の腕を巻く(枕にする)意から、「巻く」と同音を含む | 1819 |
ころもでの | 衣手の | 別る・かへる・田上(たなかみ)・真若(まわか)・名木(なき) | 袖が風に翻る意から | 2966 |
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さきくさの | 先草の・三枝の | みつ・なか | 「さきくさ」は枝が三つに分かれているところから | 1899 |
さきたけの | 割き竹の | 背向(そがひ) | 割った竹が互いに反り返って、外側どうし背中合わせになることから | |
さごろもの | 狭衣の | 小(を) | 衣の「緒(を)」の意から、同音の「小(を)」にかかる | |
ささがにの | 細蟹の | 雲・蜘蛛・曇る・糸、副詞「いと」・厭(いと)ふ | クモの「巣(い)」「糸(いと)」との関わりから | |
ささなみの | 細波の | 大津・志賀・比良山・連庫(なみくら)山・長等(ながら)山・なみ・寄る・夜・あやし・古き都 | 琵琶湖周辺の地名や湖水に関連させて | 308 |
ささなみや | 細波や | 大津・志賀・比良山・連庫(なみくら)山・長等(ながら)山・なみ・寄る・夜・あやし・古き都 | 琵琶湖周辺の地名や湖水に関連させて | |
さざれなみ | 細れ波 | 立つ・間なく・しきて・立ちても居ても・磯 | さざなみが立つことから | |
さすたけの | 刺す竹の | 君・皇子・大宮・舎人・よ | 「さす」は生えて伸びる意で、竹は勢い良く生長するので繁栄を祝う | |
さつきやみ | 五月暗 | くら | 五月雨のころの夜の暗いことから | |
さつひとの | 猟人の | 弓月(ゆづき)が嶽(たけ) | 猟師が弓を使うことから | 1820 |
さなかづら | さな葛 | さね・のちもあふ・絶えず・いや遠長く | さなかづらのつるが、伸びるさまから | |
さにつらふ | さ丹つらふ | 妹・君・色・ひも・もみち・わご大王 | 「さ」は接頭語、「に」は名詞「丹(に)」、「つら」は名詞「頬(ほお)」、「ふ」は動詞をつくる接尾語・赤い頬をしている意から | 1915 |
さねかづら | さ寝・のちもあふ | 同音で「さ寝」、伸びるさまから「のちも逢ふ」 | ||
さねさし | 相模 | 語義・かかり方未詳 | ||
さばへなす | 五月蝿なす | さわぐ・荒ぶ | さばへ(夏の蝿)のように、の意 | |
さひづらふ | 囀らふ | 漢(あや) | 外国人の話は鳥のさえずりのように聞こえる意から | |
さゆりばな | 小百合花 | 後(ゆり) | 同音の「後(ゆり)」にかかる | 1507 |
さをしかの | さ牡鹿の | 入野(いりの、地名) | 鹿が分け入る野、ということから | |
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しきしまの | 敷島の・磯城島の | 大和・日本(やまと)・ふる | 欽明天皇の磯城島金刺宮が大和にあったことから | 3340 |
しきたへの | 敷き妙の・敷き栲の | 枕・床・衣・たもと・袖・家・黒髪 | しきたへが寝具であることから | 636 |
ししじもの | 鹿じもの・猪じもの | い這(は)ひ・膝折り・弓矢囲み・水漬(みづ)く | 〔「じもの」は、~のようなものの意の接尾語〕鹿・猪のように、から | |
しづたまき | 倭文手纏 | 数にもあらぬ・賎しき | 「しづたまき」が粗末なものである意から | |
しながどり | しなが鳥 | 猪名(ゐな、地名)・安房(地名) | 雌雄が常に相率いるところから「率(ゐ)」の音を含む猪名 一説に、「あ」と鳴くことから、「安房」にもかかる |
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しなざかる | 越 | 都から遠く離れた、の意から | 4274 | |
しなてる | 級照る | 片・鳰の湖(うみ) | 語義・かかり方未詳 | |
しののめの | 東雲の | 明く | 夜が明ける意から | |
しほぶねの | 潮船の | 並ぶ・置く | 海に船が並んだり、置かれたりすることから | |
しまつとり | 島つ鳥 | 鵜 | 島にいる鳥の意から | |
しもとゆふ | 細枝結ふ | 葛城山 | 焚き木などにする細枝を、葛で束ねる意から | |
しらくもの | 白雲の | 立つ・竜田山・絶ゆ・かかる | 雲が沸き上がったり、消えたり、山に掛かったりすることから | |
しらすげの | 白菅の | 真野(まの、地名) | 白菅の名所であるところから | |
しらたまの | 白玉の | 緒・緒絶えの橋 (「わが子・君・人・涙」などは形式化した比喩) | 白玉を貫く「緒」の意から「緒」 | 3837 |
しらつゆの | 白露の | おく・消(け)・たま | 露の縁から | 597 |
しらとりの | 白鳥の | 鷺・飛羽(とば)山 | 白い鳥、鳥が飛ぶ意から | 591 |
しらなみの | 白波の | 浜・よる・うち・かへる・いちしろく | 波の連想から | 3037 |
しらぬひ | 不知火・白縫 | 筑紫 | かかり方未詳 | |
しらまゆみ | 白真弓・白檀弓 | はる・い・ひく | 弓は弦を張り、それを引いて射る、の意から | 1927 |
しろたへの | 白栲の・白妙の | 袖・袂・紐・襷・帯・雲・雪・波 | 白栲で衣服を作ることから、またその白いことから | 2949 |
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すがのねの | 菅の根の | 長し・乱る・ねもころ | 菅の根が長く乱れていることから、またその同音から | 682 |
すみぞめの | 墨染めの | 暗し・夕べ・たそかれ・くらぶ・鞍馬 | 墨染めの色の感じから、また同音から | |
すみのえの | 住江の | 松・待つ・きし | 住之江が松の名所であることから、同音にかかる | 3823 |
そらかぞふ | 空数ふ | 大津など「おほ」を語頭に持つ「地名」にかかる | かかり方未詳 | |
そらみつ | 「そらにみつ」とも | やまと(大和・倭) | 語義・かかり方未詳 | |
たかくらの | 高座の | 三笠(みかさ、地名) | 天皇の玉座の上につるされる「御蓋(みかさ)」と同音から | 376 |
たかさごの | 高砂の | 待つ・尾上(をのへ) | 兵庫県高砂神社の「相生の松」が有名だからか... | |
たかしるや | 高知るや | 天の御(み)かげ | 天高く聳える御殿は、天の日を覆って影を作るという意から | |
たかてらす | 高照らす | 日 | 天高く照らす意から | |
たかひかる | 高光る | 日 | 天に高く輝く意から | |
たかゆくや | 高行くや | はやぶさ | 空を高く飛ぶことから | |
たぎつせの | 激つ瀬の | はやし | 流れの早い瀬の意から | |
たくつのの | 栲綱の | しろ・しら | 栲綱(楮の繊維で作った網)の色が白いところから | |
たくなはの | 栲縄の | 長き・千尋 | 栲縄の長いところから | |
たくひれの | 栲領巾の | かけ・白・鷺 | 栲領巾は色が白く、また肩にかけることから | |
たくぶすま | 栲衾 | しら | 栲衾の色が白いところから | |
たたなづく | 畳なづく | 青垣 | 幾重にもうねり重なる意から | 3201 |
たたみこも | 畳薦 | 平群・隔つ | 畳にする薦を幾重にも重ねる意から「へ(重)」の音にかかる | |
たまがきの | 玉垣の | みつ・うち | 玉垣を「瑞垣(みづがき)」とも言うので類音の「みつ」、美しい垣の内の意から | |
たまかぎる | 玉かぎる | 夕・日・ほのか・はろか・一目のみ・磐垣淵(いはがきふち) | 「かぎる」は「輝く」の意で玉のほのかに光る状態から | 1820 |
たまかつま | 玉勝間・玉籠 | あふ・しま | 「かつま」は竹のかごの意で、身と蓋が逢うところから、またかごの目のしまっているところから | 2928 |
たまかづら | 玉葛・玉蔓 | 長し・延(は)ふ・いや遠長く・絶ゆ・実・花 | 葛のつるがのび広がる意から、また葛の花・実の意から | 102 |
たまきはる | 命・いく世・うち・吾(わ) | 語義未詳 | 2536 | |
たまくしげ | 玉櫛笥・玉匣 | ふた・箱・ひらく・覆ふ・あく・奥・身 | 櫛笥に関係のあるものから | 594 |
たまくしろ | 玉釧 | まく・手に取り持つ | 玉釧は手に巻くことから | |
たまだすき | 玉襷 | うね・かく | たすきをうなじにかけることから | |
たまだれの | 玉垂れの | 越智(地名) | 玉を緒に通して垂らしたものの意から、緒と同音の「を」にかかる | 2368 |
たまづさの | 玉梓の・玉章の | 使ひ・人・妹・通ふ | 便りの使者が梓の杖を持ったことから | 2591 |
たまのをの | 玉の緒の | 長し・短し・絶ゆ・乱る・継ぐ・間もおかず | 玉を貫く緒の状態から、それに関連したもの | 2798 |
たまほこの | 玉桙の・玉鉾の | 道・里 | 語義・かかり方未詳 | 2958 |
たまもかる | 玉藻刈る | 沖・敏馬(みぬめ)・をとめ・辛荷(からに)の島・海人 | 玉藻は沖にあることから、また地名にもかかる | |
たまもよし | 玉藻よし | 讃岐 | 美しい海藻を産することから地名「讃岐」にかかる | |
たらちねの | 垂乳根の | 母・親 | 「たらちね」の「母・親」の意から | 3299 |
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ちちのみの | 乳の実の | 父 | 同音の繰り返しで | |
ちはやぶる | 千早振る | 神・宇治 | 強大な力を持つ意から | 2671 |
つがのきの | 栂の木の・樛の木の | つぎつぎ | 類似音を重ねて | |
つきくさの | 月草の | うつる・消(け)ぬ・かる | 月草野花汁を布にすりつけるとよく染まるが、色が落ち易いところから | |
つぎねふ | 山城(地名) | 語義・かかり方未詳 | 3328 | |
つのくにの | 津の国の | なには・ながす・来や・ながら・見つ・まろや | 摂津の地名「難波・長洲・昆野・長野」などの類音から | |
つのさはふ | いは | 語義・かかり方未詳 | ||
つゆしもの | 露霜の | 秋・消(け)・置く・過ぐ | 露霜が「置く・消える・なくなる」などの意から、また秋の代表的な景物であることから | 3057 |
つるぎたち | 剣太刀 | 身・磨ぐ・己(な)が心・名 | 刀剣は身につけるものであるところから、また古代、刀剣を「な」と称したことから同音の「な」にかかる | 607 |
ときつかぜ | 時つ風 | 吹飯(ふけひ、地名) | 「吹く」と同音を含む地名から | 3215 |
とぶとりの | 飛ぶ鳥の | 明日香・早し・至る | 天武天皇の時代、「飛鳥浄御原宮と名付けられた宮殿が、明日香の地にあったことから、また飛ぶ鳥のように素早く、というところから | 78 |
とほつひと | 遠つ人 | まつ・かり | 遠くの人を待つ、遠くから来る雁を人と見たことから | 875 |
ともしびの | 灯火の | あかし(明石) | 灯火の明るいことから | |
とりがなく | 鳥が鳴く・鶏が鳴く | 東(あづま) | かかり方未詳 | 4357 |
なくしかの | 鳴く鹿の | 起き臥し | 語義・かかり方未詳 | |
なつくさの | 夏草の | 思ひ萎(しな)ゆ・繁し・深し・かりそめ・あひね・野島 | 夏草が生えている野の意から、萎れふす意から、生い茂る意から、そしてそれを刈る意から | |
なつごろも | 夏衣 | 薄し・裁つ・ひとへ・かとり | 夏の衣は単衣で薄いことから、また夏の衣として縑(かとり、薄く織った織物)の衣を着用するので、その縑と同音の地名「かとり」にかかる | |
なつそひく | 夏麻引く | 海上(うなかみ、地名)・うなひ・命 | 夏麻は、夏に麻畑から根を引いて績(う)むことから、その同音の「う」を含む地名、また、夏麻を引いて麻の糸をつくることから、糸(い)と同音を含むことから | |
なまよみの | 甲斐(地名) | 語義・かかり方未詳 | ||
なよたけの | 弱竹の | とをよる・起きふし・よ(節・夜・世)・ふし | なよたけは、よくたわむことから、また竹の縁から | |
なるかみの | 鳴る神の | 音 | かみなりの音の意から | |
にはたづみ | 行潦・庭潦 | 流る・川・行く方知らぬ | 「にはたづみ」は流れるものであることから | |
にはつとり | 庭つ鳥 | かけ(鶏の古名) | 庭で飼う鳥の意から | |
にほどりの | 鳰鳥の | 潜(かづ)く・葛飾・なづさふ・息長河(おきなががは)・二人並びゐ | 鳰鳥は水に潜ることから「かづく」、そしてそれが転じて地名「葛飾」に、また水に浮いていること、息の長いこと、雌雄並んでいることから | |
ぬえどりの | 鵺鳥の・鵼鳥の | のどよふ・うらなく・片恋ひ | 鳴き声が嘆いているように聞こえることから | 2001 |
ぬばたまの | 射干玉の | 黒・髪・夜・一夜・夕べ・昨夜(さぞ)・今宵・妹・夢・月 | ぬばたまの、実の黒いことから、、そして転じて「妹・夢」にも | 1081 |
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はしたての | 梯立ての | 倉橋山・倉橋川・熊来(地名)・険(さが)し | 倉などに梯を立てる意から、また「熊来」のかかり方未詳 | |
はたすすき | 旗薄(はだすすき、とも) | 穂・末(うら) | すすきの縁で、穂、穂の先(うら)にかかる | 3822 |
はなぐはし | 花細し | 桜・葦 | 花の美しい意から | 2570 |
はなすすき | 花薄 | ほ・ほのか | 穂の出たすすき、という意から | |
ははそはの | 柞葉の | 母 | 同音の重なりから | |
はふたつの | 這ふ蔦の | 別る・己がむきむき | 蔦の先が分かれて伸びてゆくことから | |
はるがすみ | 春霞 | かすが・立つ・ゐ・おぼ・よそに | 同音を重ね、そして霞が立つのを居る、というところから、また霞が立って直接に「よそ」が見えないことから | 1817 |
はるくさの | 春草の | しげき・いやめづらし | 若草が生い茂る意から、冬枯れの野に芽生える意から | 1924 |
はるはなの | 春花の | にほえさかゆ・さかり・めづらし・貴し・うつろふ | 春の花が美しく咲く意から、愛でる意から、散る意から | |
ひさかたの | 久方の | 天・雨・月・雲・空・光・夜・都 | 天に関係のあることから | 4467 |
ひなぐもり | ひな曇り | 碓氷(地名) | 日の曇る薄日の意から同音の地名「碓氷」にかかる | |
ひのもとの | 日の本の | 大和の国 | 日本を日ののぼるもとの国と自称したことから | |
ふかみるの | 深海松の | 深む・見る | 同音を重ねて | |
ふゆごもり | 冬籠り | 春・張る | かかり方未詳 | 1828 |
ふるゆきの | 降る雪の | 消(け)・白髪・いちしろ・行き | 雪の性質や状態から、また同音の「行き」にかかる | 1659 |
ほととぎす | 時鳥 | 飛ぶ・飛幡(とばた、地名) | 飛ぶことから、地名「飛幡(とばた)」 | |
まかねふく | 真金吹く | 吉備・丹生(にふ) | 鉄の産地の「吉備」「丹生」にかかる | |
まきさく | 真木割く | 檜・日 | 真木を割いてできる割れ目の意の「ひ」と同音あることから | |
まきはしら | 真木柱 | 太し | 真木柱は太いことから | |
まこもかる | 真菰刈る | 大野河原・堀江・伊香保の沼・淀 | 真菰が多いところから | |
ますらをの | 丈夫の | 手結ひが浦(地名) | 益荒男が「手結(たゆ)ひ」をしているところから | |
まそかがみ | 真澄鏡 | 見る・みぬめ・懸く・磨ぐ・ふた・面影・清し | 鏡の使いみち、状態などから | 2642 |
まつがねの | 松が根の | 待つ・絶ゆることなく | 同音を重ねて、また松の根が絶えずに長く続き意から | |
まよひきの | 眉引きの | 横山 | 眉墨で描いた眉の形に似ていることから | |
みこころを | 御心を | 吉野・広田・長田 | 心を広く、長く、寄すの意から | |
みすずかる | 水篶刈る・三篶刈る | 信濃 | 「すず」は篠竹(すずたけ)の意、篠竹が信濃に多く産出することから | |
みづがきの | 瑞垣の | 神・久し | 瑞垣に守り囲まれた神の意から、瑞垣は朽ちることなく久しい時を経ているということから | 3276 |
みづぐきの | 水茎の | 岡・水城(みづき) | 同音を重ねて、またかかり方未詳で「岡」にもかかる | |
みづとりの | 水鳥の | うき・立つ・青葉・鴨 | 水鳥は水に浮くものから、飛び立つものから、また水鳥の一種である「鴨」に、鴨の羽の青いことから「青葉」などにかかる | 4518 |
みつみつし | 久米(くめ・氏族名) | 語義・かかり方未詳 | ||
みなせがは | 水無瀬川 | 下 | 表面には水がなく、砂の下を流れることから | 601 |
みなのわた | 蜷の腸 | か黒し | 蜷(みな、貝の名)の肉を焼いた色が黒いことから | |
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むさしあぶみ | 武蔵鐙 | さすがに | 武蔵の国で産する鎧、端に刺鉄(さすが、留め金)ををつけたことから | |
むらきもの | 村肝の・群肝の | 心 | 臓器に心が宿っていると考えたことから | 723 |
むらたまの | 群玉の | くる | 多くの玉が、くるくる廻る意から | |
むらとりの | 群鳥の | むれ・朝立つ・立つ | 群がった鳥が、朝一斉に飛び立つことから | |
もちづきの | 望月の | たたはし・たれる・めづらし | 満月に欠けている所がないことから、また美しいことから | |
もちどりの | 黐鳥の | かからはし(束縛されて離れにくい) | 鳥もちにかかった鳥は、立ち離れることができないところから | |
もののふの | 物部の・武士の | 八十氏(やそうぢ)・八十・五十(い)・宇治川・矢野・矢田・岩瀬 | もののふ(文武百官)は数が多いことから、また「八十氏川」にかかることから地名「宇治」、もののふ(武士)の持つ「矢」から地名の「矢田・矢野」、また「岩瀬」にかかる | |
もみぢばの | もみぢ葉の | 赤・朱・移る・過ぐ | 紅葉は散りやすく色が変わりやすいところから、その色から | 3317 |
ももしきの | 百敷の・百石城の | 大宮 | 多くの石や木で作ってある意から | 694 |
ももたらず | 百足らず | 八十(やそ)・五十(い)・山田・筏・斎槻(いつき) | 百に足りない、という意から、また「や・い」から始まる「山田・筏」などにもかかる | |
ももづたふ | 百伝ふ | 八十(やそ)・磐余(いはれ)・渡る・津・鐸(ぬて) | 数えて百になる意から「八十」や「五十」の音を持つ地名「磐余」に、また地名「角鹿(つぬが)・度会(わたらひ)」、遠くに行くときに用いた駅路の鈴の意から「鉾(ぬて、上部に長い柄のある大型の鈴)」にかかる | 419 |
やくもさす | 八雲刺す | 出雲 | 「さす」は勢いよく立ちのぼる意から | |
やくもたつ | 八雲立つ | 出雲 | 雲が幾重にも立ちのぼる意から | |
やすみしし | 八隅知し・安見知し | わご大君・わが大君 | 国の八方を隈なく統治する、また安らかに治める意から | 332 |
やまがはの | 山川の | あさ・おと・たぎつ・はやし | 山間の川が流れていく様子から | |
やますげの | 山菅の | やまず・実・乱る・背向(そがひ) | 同音から、山菅の実の意から、葉の状態から | 2478 |
やまたづの | 山たづの | 迎へ | 山たづ(接骨木、にわとこの古名)の枝や葉が向かい合っていることから | 90 |
やまぶきの | 山吹の | 止(や)む | 類音でかかる | 1911 |
ゆくふねの | 行く船の | 過ぐ | 船が行き過ぎることから | 2002 |
ゆくとりの | 行く鳥の | 争ふ・群がる・群る | 飛んで行く鳥が、先を争うことから、また群をなして飛ぶことから | 3340 |
ゆくみづの | 行く水の | 過ぐ・とどめかね | 流れてゆく水の様子から | |
ゆふづくよ | 夕月夜 | 暁闇(あかときやみ)・小倉山・入る・入佐・入野 | 夕方に出る月は、夜中には沈んで明け方が闇になることから、また夕方の月はほの暗いことから「小暗(をぐら)し」と同音を含む地名に、そして夕月が沈むの意から「入(い)る」と同音を含む地名につく | 3017 |
ゆふつづの | 長庚の・夕星の | か行きかく行き・夕べ | 「ゆふづつ(夕暮れに西の空に見える金星)」の空を渡る様から、また現れる時刻から | |
わかくさの | 若草の | 夫(つま)・妻・新(にひ) | 若草の瑞々しく美しいことから、また新しく若々しいことから | |
わかごもを | 若菰を | かり | 若くて柔らかな「まこも(水草の名)」を刈る意から | |
わぎもこに | 吾妹子に | 逢坂山・あふちの花・近江・淡路 | 「吾妹子」に逢う意から、同音の「あふ」を含むものにかかる | |
わぎもこを | 吾妹子を | いざみの山・早見の浜 | 「吾妹子」を見る意から、 | 3180 |
をしどりの | 鴛鴦の | 浮き・憂き | 鴛が水に浮くことから、またその同音にかかる | |
をみなへし | 女郎花 | 佐紀・佐紀野 | (をみなへしが)咲く意から | 678 |
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