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2004年5月31日 古今和歌集巻第十六
哀 傷 歌
さきのおほきおほいまうちぎみを、白川のあたりに送りける夜よめる 素性法師
830 血の涙おちてぞたぎつ白川は君が世までの名にこそ有りけれ
哀しい、流れ止まらぬ血の涙が
白川の水を赤く染めてしまう
赤く染まった白川は、もう白川などとは言えない
この川の名は、 あなたが生きている限りの名をしるす
前太政大臣藤原良房の葬送を終えたあとの、血をも枯らすほどの哀しみ
この川は、あなたとともに逝き、また生まれ代わる
その人の存在が、こうも大きいものだったのかと、その人とともに逝く
哀しみは何もかも奪う
私の血の涙で染まったのではない
白川を、あなたが連れていってしまうのか
死者に伴がいることを、私はいっそう寂しく思う
それが、あなたの寂しさを拭うのであれば
私の哀しみは、癒されよう
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