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古今和歌集の部屋
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 2004年9月20日        古今和歌集巻第十六

      哀 傷 歌

       あひ知れりける人の身まかりにける時によめる

                                      みぶのただみね

   835  寝るがうちに見るをのみやは夢といはん はかなき世をもうつつとはみず

 

 寝ているときだけに見るのが、夢ではない

 こんなに悲しい現実に直面すれば

 それこそ、誰しもが夢だと思う...夢だと思いたい!

 現実逃避は、決して前向きな生き方ではないが

 夢の中にすべてを置いてしまいたい

 そんな「弱い」と言われる人の生き方にこそ

 ある意味では、生きるための手掛かりがあると思う

 

 自分が、どんなに苦しんでいようと

 すべてが夢であったら、と逃避を望もうと

 目の前に、同じように打ちひしぐ人がいたのなら

 かすかながらも、その心の支えになりたいと

 自分の気持ちを奮い立たせることも

 決して少なくはない

 それは、知らず知らずのうちに

 自分の弱さを、踏まえた上での前向きな生き方になる

 

  どんなに悲しくても

 自分の慈愛の深さを信じるならば

 たとえ、それが気弱に映ろうとも...もっとも強力な生き方になる

 哀しみは...悲しいときは、現実逃避でも構わない

 夢だと思う気持ちが、偽りではないからこそ

 その哀しみの深さが、自身の力になるのだと思う