石舞台周辺万葉歌碑
 
  祝戸 玉藻橋畔
 
 
明日香川湍瀬尓玉藻者雖生有四賀良美有者靡不相

      

 あすかがわ せぜにたまもは おひたれど しがらみあれば なびきあへなくに

    


                            作者未詳
           

           万葉集巻第七−1380(新編国歌大観1384
 
 一般的な訳 小学館日本古典文学全集に依る

 明日香川の 瀬ごとに玉藻は 生えているが 邪魔なしがらみがあるので なびき寄せることもできない
  しがらみヰデ(1108)の一種。川の流れをせき止めるために杭を打ち、竹や木の枝などをからませたもの。ここは部外者で他人の恋路を邪魔する者のたとえ。
 なびきあへなくにナビクは、風や水流のままに横に伏す意にも用いられるが、心が或る人に引き付けられ、従い寄ることをもいう。下二段動詞アフは、対抗できる、の意だが、打消しと結びついて、不可能を表わす。このナクニは詠嘆的文末用法。
 
   橘寺東側 

 明日香河瀬湍之珠藻之打靡情者妹尓因来鴨


 あすかがは せぜのたまもの うちなびく こころはいもに よりにけるかも
   
 


                             作者未詳
           

           万葉集巻第十三−3267(新編国歌大観3281
 一般的な訳 小学館日本古典文学全集に依る

 明日香川の 瀬々の玉藻のように ひたむきに 心はあなたに なびき寄ってしまった

 瀬々の玉藻の以上二句、ウチナビクを起こす序。
 
 類歌2482(2486)

  水底生玉藻打靡心依比日
    水底に 生ふる玉藻の うちなびく 心は寄りて 恋ふるこのころ

     水の底に 生えている玉藻のように ひたすら 心を寄せて
                   恋しているこのごろだ
   
冬の痕   明日香散策目次  
文化館万葉歌碑  文化館周辺万葉歌碑